Consensus Definitions
(Japanese Translation)


表題

24時間を軸に配置した動作に基づく用語の最終的な概念モデルの図。図は1日を通じて行われる動作を2つの成分に整理している: 内側の輪はエネルギー消費を用いた主な行動のカテゴリを表している。外側の輪は姿勢を用いた一般的なカテゴリを示している。図内の用語にカーソルを合わせると、定義が表示される。座位行動に関する詳細な定義、注意点および例は図の下に示している。各行動に割り当てられている空間の比率は、これらの行動が1日のうちに費やされるべき時間を規定しているわけではない。

 
 

Consensus Definitions

Final definitions, caveats and examples of key terms from the Sedentary Behavior Research Network (SBRN) Terminology Consensus Project.

12 translations available: Chinese (traditional), Dutch, English, French, German, Greek, Japanese, Korean, Portuguese (Portugal), Portuguese (Brazil), Spanish and Thai.

座位行動研究ネットワーク(Sedentary Behavior Research Network:SBRN)用語コンセンサスプロジェクトによる重要な用語の最終的な定義、注意事項および例

Translators: Ai Shibata (University of Tsukuba), Koichiro Oka (Waseda University), EunYoung Lee (University of Alberta)

用語 1. 身体不活動
一般的な定義 現在の身体活動に関する勧告に照らして不十分な身体活動レベル
注意事項 一般的な定義をすべての年齢群および能力群に適用する。
  • 幼児・就学前児童(14歳):強度を問わず、身体活動が1日あたり180分未満である。
  • 子ども・若年者(517歳):中高強度の身体活動が1日あたり60分未満である。
  • 成人(18歳以上):中高強度の身体活動が週あたり150分未満または高強度の身体活動(または同等の中強度と高強度の身体活動の組合せ)が週あたり75分未満である。
用語 2. 静止行動
一般的定義 静止行動は、エネルギー消費量にかかわりなく、歩行移動せずに、臥位(横になる)、半臥位(もたれかかる)、座位または立位で行うあらゆる覚醒行動を指す。
注意事項
  • 静止時間:時間の長さ(例、1日あたり、週あたり)状況(例、学校、仕事)および身体活動の強度(例、列に並ぶ、歩行移動のない組立てラインで作業する、スタンディングデスクで作業する、教室で座っている)を問わず、静止行動に費やした時間。
  • 静止バウト:中断されない1回の静止時間。
  • 静止中断:2回の静止バウトの間における静止以外のバウト(乳児を除くすべての年齢群および能力群に適用する)。
  • 一般的な定義を、乳児(1歳未満または歩き始める前)および立つことができない運動障害を有する者を除くすべての年齢群および能力群に適用する。
  • 座って、もたれかかって、または横になって電子機器(例、テレビ、コンピューター、タブレット、電話)を使用している;座った状態で何かを読んでいる、書いている、絵を描いている、色を塗っている、会話している;学校または仕事で座っている;バス、車または電車の中で座っている。
  • 列に並んでいる;教会で立っている;廊下で立ち話をしている;立ちながら携帯メールを打っている;スタンディングデスクを使用している。
  • 誰かに運ばれている、支えられている、または抱かれている。
用語 3. 座位行動 Sedentary Behavior
一般的定義 座位行動は、座位、半臥位または臥位の状態で行われるエネルギー消費量が1.5代謝当量(メッツ)以下のすべての覚醒行動を指す。
注意事項
  • 座位時間:時間の長さ(例、1日あたりの分数)または状況(例、学校または仕事)を問わず、座位行動に費やした時間。
  • 座位バウト:中断されない1回の座位時間。
  • 座位中断:2回の座位バウトの間における座位以外のバウト。
  • 乳児(1歳未満または歩き始める前):固定されている状態(例、ベビーカー、ハイチェア、ベビーシート)、または静かにしている状態(例、ほとんど動かずに椅子にもたれかかっているまたは座っているが、固定されていない状態)での、エネルギー消費量が低いと評価されるすべての覚醒行動。腹臥位で費やされた時間(うつ伏せにさせている時間)は座位時間とは考慮しない。
  • 幼児4・就学前児童(14歳)、子ども・若年者(517歳)、成人(18歳以上)およびすべての能力群:一般的な定義と同じ。
  • 乳児(1歳未満または歩き始める前):目を覚ましているが、ほとんど動かずにベッドに横たわっている;ほとんど動かずにベビーチェア、ハイチェア、ベビーカーまたは車の座席に座っている;誰かに運ばれている、支えられている、または抱かれている。
  • 幼児および就学前児童(14歳):座って、もたれかかってまたは横になって電子機器(例、テレビ、コンピューター、タブレット、電話)を使用している;座って何かを読んでいる、絵を描いている、色を塗っている;ベビーカーに座っている;ベビーチェアやソファーに座って食事をしている;バス、車または電車の中で座っている。
  • 子どもおよび若年者(517歳):座って、もたれかかってまたは横になって電子機器(例、テレビ、コンピューター、タブレット、電話)を使用している;座って何かを読んでいる、書いている、絵を描いている、色を塗っている;座って宿題をしている;学校で座っている;バス、車または電車の中で座っている。
  • 成人(18歳以上):座って、もたれかかってまたは横になって電子機器(例、テレビ、コンピューター、タブレット、電話)を使用している;座って何かを読んでいる、書いている、会話している;バス、車または電車の中で座っている。
  • 手動または電動車椅子の使用者:
  • 座って、もたれかかってまたは横になって電子機器(例、テレビ、コンピューター、タブレット、電話)を使用している;座って何かを読んでいる、書いている、絵を描いている、色を塗っている、会話している;バス、車または電車の中で座っている;電動車椅子で移動している;手動車椅子に静かに座って押してもらっている。
用語 4. 立位
一般的定義 両足で体を支えながら真っ直ぐに立っている姿勢。
注意事項
  • 能動的立位:能動的立位は、補助の有無を問わず、歩行移動せずに立位で行う、エネルギー消費量が2.0メッツを超えるすべての覚醒行動を指す。
  • 受動的立位:受動的立位は、補助の有無を問わず、歩行移動せずに立位で行う、消費エネルギーが2.0メッツ以下のすべての覚醒行動を指す。
  • 立位時間:時間の長さ(例、1日あたりの分数)または状況(例、学校または仕事)を問わず、立位に費やした時間。
  • 立位バウト:中断されない1回の立位時間。
  • 立位中断:2回の立位バウトの間における立位以外のバウト。
  • 乳児(1歳未満または歩き始める前)、幼児・就学前児童(14歳)、子ども・若年者(517歳)、成人(18歳以上)および手動または電動車椅子の使用者:一般的な定義と同じ。
  • 立位困難者:該当せず。
  • 能動的立位:はしごに立っている; 立っている、立って食器を洗っている、立って組立てラインで作業している;立ってジャグリングをしている;立って重い物を持ち上げている。
  • 受動的立位:列に並んでいる;廊下で立ち話をしている;立ちながら電子機器(例、テレビ、コンピューター、タブレット、電話)を使用している;教会で立っている。
  • 補助立位:ソファー、椅子、または親の手につかまって立っている;松葉杖、ステッキ、立位補助具または体重支持具を使用して立っている。
用語 5. スクリーン時間
一般的定義 スクリーン時間は、スクリーン(画面)を見るという行動に費やした時間を指す。これらの行動は座位または身体活動中に行われる場合がある。
注意事項
  • 余暇スクリーン時間:学校や仕事に関連しない、スクリーンを見るという行動に費やした時間。
  • 静止スクリーン時間:状況(例、学校、仕事、余暇)を問わず、静止している状態でスクリーン機器(例、スマートフォン、タブレット、コンピューター、テレビ)の使用に費やした時間。
  • 座位スクリーン時間:状況(例、学校、仕事、余暇)を問わず、座位でスクリーン機器(例、スマートフォン、タブレット、コンピューター、テレビ)の使用に費やした時間。
  • 能動的スクリーン時間:状況(例、学校、仕事、余暇)を問わず、静止していない状態でスクリーン機器(例、スマートフォン、タブレット、コンピューター、テレビ)の使用に費やした時間。
  • 一般的な定義をすべての年齢群および能力群に適用する。
  • すべての年齢群および能力群:テレビを見ている、スマートフォン・タブレットを使用している、コンピューターを使用している。
  • 能動的スクリーン時間:体を動かすビデオゲームをしている、テレビを見ながらランニングマシンで走っている。
用語 6. スクリーンを見ない座位時間
一般的定義 スクリーンを見ない座位時間は、スクリーンを見ることが含まれない座位行動に費やした時間を指す。
注意事項
  • 余暇のスクリーンを見ない座位時間:学校や仕事に関連しない、スクリーンを見ることが含まれない座位行動に費やした時間。
  • 一般的な定義をすべての年齢群および能力群に適用する。
  • 乳児(1歳未満または歩き始める前):マットの上で静かに仰向けになっている;ほとんど動かずにベビーカーや車の座席に座っている。
  • 幼児および就学前児童(14歳):チャイルドシート、椅子または車の座席に座っている;砂場や床に座って静かに遊んでいる;座りながら電子書籍以外のものを読んでいる、またボードゲームをしている。
  • 子どもおよび若年者(517歳):学校で座っている;座って宿題または図画工作活動をしている;電子書籍以外のものを読んでいる;ボードゲームをしている;車の中で座っている。
  • 成人(18歳以上):電子書籍以外のものを読んでいる;ボードゲームをしている;車の中で座っている。
  • 手動または電動車椅子の使用者:電子書籍以外のものを読んでいる;ボードゲームをしている;車の中で座っている;手動車椅子に静かに座って押してもらっている。
用語 7. 座位
一般的定義 体重を足よりもむしろ臀部で支え、背中を真っ直ぐに保持している姿勢。
注意事項
  • 能動的座位:能動的座位は、座位で行うエネルギー消費量が1.5メッツを超えるすべての覚醒行動を指す。
  • 受動的座位:受動的座位は、座位で行うエネルギー消費量が1.5メッツ以下のすべての覚醒行動を指す。
  • 一般的な定義をすべての年齢群および能力群に適用する。
  • 能動的座位:座って行う組立てラインで作業している;座ってギターを弾いている;座って足・脚を使う機器を操作している;車椅子に座って上肢エルゴメータ運動をしている。
  • 受動的座位:座った状態での座位行動の例を参照する。
用語 8. 半臥位 Reclining
一般的定義 半臥位は、座位と臥位の間のリラックスした状態の体位である。
注意事項
  • 一般的な定義をすべての年齢群および能力群に適用する。
  • 半臥位行動は、受動的(1.5メッツ以下)または能動的(1.5メッツを超える)である場合がある。
  • 受動的半臥位(すべての年齢群および能力群):椅子やソファーにもたれかかっている/前屈みに座っている。
  • 能動的半臥位(すべての年齢群および能力群):リカンベント型(背もたれ付き)自転車をこいでいる。
用語 9. 臥位
一般的定義 臥位は、支持面上で体を水平位にした状態を指す。
注意事項
  • 一般的な定義をすべての年齢群および能力群に適用する。
  • 臥位行動は、受動的(1.5メッツ以下)または能動的(1.5メッツを超える)である場合がある。
  • 受動的臥位(すべての年齢群および能力群):ほとんど体を動かさないでソファー、ベッドまたは床に横たわっている。
  • 能動的臥位(すべての年齢群および能力群):等尺性体幹筋トレーニング(プランク)をしている。
用語 10. 座位行動パターン
一般的定義 1日の起きている時間に蓄積された座位行動のパターン(例、座位のバウトおよび中断のタイミング、長さおよび頻度)。
注意事項 一般的な定義をすべての年齢群および能力群に適用する。
  • 長時間継続型:蓄積された一連の座位バウト(総座位時間)が長時間になる者。
  • 中断型:座位が頻繁に中断されかつ総座位時間に含まれる各バウト(1回の継続時間)が短い者。

メッツ(MET) = 対象集団の安静時代謝量に基づいて算出された代謝当量。1メッツは、運動障害または慢性疾患のない成人の酸素摂取量3.5 ml/kg/分に相当する。代謝当量は、一般に子どもおよび筋活動または代謝が上昇している者で高く、また麻痺がある、筋肉量が少ないまたは消耗状態の者で低い。対象集団、上記の定義および注意事項に留意してメッツ値を解釈すること。